犬の困った、ワン!ポイントアドバイス—②

共生関係を築くために、何を教える、どう教えるか・・・

「共生関係を望むのであれば、犬に何を教えたらいいか、どう教えたらいいか、何をしたらいけないか、その全てがすでに明確になっている」

そんな前回のお話からの続きです。

そもそも犬の困った問題のほとんどは教えてこなかった結果、そうした問題が起きないようにトレーニングをしてこなかった結果です。

例えば、「他犬に吠えつく」。

他犬とのすれ違いが上手にできるよう、トレーニングをしていればそうした問題は起きません。

ヨーロッパの多くの国の犬たちは、公園や郊外ではノーリードでお散歩を楽しんでいます。ただ、そうした犬たちは2〜3ヶ月齢からそのためのトレーニングを何ヶ月もかけてしっかりと行うのです。

他犬に吠えつく犬を、確実な呼び戻し(=オイデ)ができない犬を、ノーリードになどできないわけですから。

JAHA家庭犬マナーチャレンジが、「何を教えるか」の指標に

もっとも日本では、リードを離してのお散歩は公園でさえも法的に許されていません。ですので、ノーリードのお散歩を楽しむためのトレーニングは不要です。

ただ、「他犬に吠えつく」といった問題が起きないためのトレーニングは必要です。

「ブラッシング中に噛みついてくる」「足拭きができない」「オイデでこない」「飼い主の食事中騒ぐ」「他人に吠える」「他人に飛びつく」「飼い主がいなくなると騒ぐ」「引っ張る」「拾い食いをする」「歯磨きをさせない」「留守番ができない」などなど、こうした問題もすべてそのための適切なトレーニングをしてこなかった結果です。

でも、ご安心ください。そうならないための日本での適切なトレーニング、最低限何を教えたらいいかは、すでに明らかにされているのです。

それが、「JAHA家庭犬マナーチャレンジ」(以下「マナーチャレンジ」とする)です。

「マナーチャレンジ」では、「他犬と上手なすれ違いができるようにトレーニングされているか」といったチェック項目があります。すなわち、「マナーチャレンジ」を指標にトレーニングをしていれば、先の他犬に吠えつくという問題がそもそも生じないのです。

教え方次第で、支配・服従関係にも、共生関係にも

「JAHA家庭犬マナーチャレンジ」にある各項目のそれぞれは、いずれどこかで紹介するとして、それぞれの項目をどう教えるか。

例えば、「リードを弛ませてのお散歩」(マナーチャレンジの中にある課題のひとつ)。

かつては、飼い主の前に出たらリードをグイッと引っ張り首にショック(罰)を与えるという手法が主流でした。引っ張ったら痛い目にあうので引っ張らなくなる。でも、これで築けていけるのは支配・服従関係です。共生関係ではありません。

ではどうしたらいいのか。

飼い主を見上げて歩くようにトレーニングすればいい。犬は見ている方向に引っ張るので、見上げて歩くようにすれば、自ずと引っ張らなくなる。

幸せホルモンと呼ばれている体内ホルモン、オキシトシンに関する研究があります。研究で明らかにされているのは、飼い主のことを見つめている時間と犬および飼い主のオキシトシンの分泌量に相関関係があるということ。

すなわち、見上げて歩くようにトレーニングすれば引っ張らなくなるだけではなく、飼い主も幸せ、犬も幸せという関係(=共生関係)が、構築できていくということです。

ストレスを極力与えない、一方で受けざるを得ないストレスには慣らす

やってはいけないことは、すでにお分かりかとも思います。

結果的に飼い主から視線を外すような行いは、共生関係を築くためには全てがNGということです。

私たちもそうですが、ストレスを与えてくる相手とは、なるべく視線を合わせないようにする。

力ずくで犬を動かそうとすること、肉体的な苦痛(体罰)を与えること、合図を連呼すること(オスワリ、オスワリ、オスワリなど)、叱りつけること……などなど。

ただし、これもまた我々もそうなのですが、ストレスのない社会などは存在しません。犬が人間社会で暮らす上において受けざるを得ないストレスには慣らす必要があります。受けざるを得ないストレスに慣らさない……これもNGになるということです。

以上、共生関係を望むのであれば(困った犬にしたくないのなら/困った行動を改善したいのなら)、最低限JAHA家庭犬マナーチャレンジの全ての項目をクリアできるようにすること、それもさまざまな状況で飼い主を見上げることができる犬になるような方法で、そしてやってはいけないことはストレスを与えること、受けざるを得ないストレスに慣らさないこと、ということです。

・・・

はてさて、2回目も具体的な問題にまで踏み込めませんでした。いやはや本当に申し訳ない。次回からこそ・・・ぜひご期待を*。



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