犬の困った、ワン！ポイントアドバイス—③

行動分析学」で原因を探る＝科学的な方法論

行動分析学は、実験から得られたデータに基づいた理論をベースにしていますので、極めて科学的と言えます。
そして動物全般に当てはまります。犬だからではなく、動物全般そうだから犬もそう（人間もそう）だ、ということです。

先ほど「行動の結果、いいことが生じる」あるいは「行動の結果、嫌なことがなくなる」と、その行動の頻度は高まる、習慣化していくと述べました。
これを「引っ張り」に応用していくと、「引っ張った結果、いいことが生じているか」あるいは「引っ張った結果、嫌なことがなくなっている」のいずれかにあたることになる。

さて、引っ張った結果、あなたの犬はどのような状況、状態になっていますか。
公園に入っている？ 匂い嗅ぎをしている？ 他犬と挨拶している？
いずれも犬の「・・・したい」というポジティブな欲求が満たされている（＝いいことが生じている）と言えるでしょう。

ほとんどの犬が引っ張っている原因はここにあります。引っ張ることで、犬にとっていいことが生じている。

ちなみに、もう一方の「結果的に嫌なことをなくしている」引っ張りは、その場から逃げたくて引っ張っているなどがこれにあたるわけですが、こちらのケースは稀です（以下「行動の結果、いいことが生じているから引っ張っている」ケースでの話を進めていくこととする）。