犬の困った、ワン!ポイントアドバイス—⑨

そもそも改善すべき問題とは
「他犬と上手にコミュニケーションがとれない」
これもよく相談されます。
一言に「他犬と上手にコミュニケーションがとれない」といっても、
他犬に攻撃性を見せることを意味しているのか
他犬を怖がる、他犬と遊べないなどといったことを意味しているのか
その具体的な中身にはいくつかあります。
そもそも他の犬と上手にコミュニケーションが取れるかどうかは、生後3週齢から2ヶ月齢の離乳期に、親兄弟と過ごすなかで犬同士のコミュニケーションの基礎( ボディランゲージ) をどれだけ学んだか、さらにはその後の社会化の時期(特に3ヶ月齢未満) に親兄弟以外の犬とどう触れ合ってきたか、によります。
早い時期に親兄弟から引き離され、4ヶ月齢くらいまで他の犬との接触をしないで育つ日本の犬の多くは、他の犬とうまくコミュニケーションがとれなくても、不思議ではありません。
とはいえ、ではどうすりゃいいのさ、って話にはなるわけでして、まずは「他犬と上手にコミュニケーションがとれない」ことが、そもそも改善すべき問題なのか・・・・・という、そこから考えてみることといたしましょう。
改善すべき問題かどうかは、3つの視点から考える
(a)飼い主にとって問題となる
(b)犬にとって問題となる
(c)世の中にとって問題となる
このどれかに引っ掛かるのであれば、それは改善すべき問題となります。
「他犬に攻撃性を見せる」、「他犬を怖がる」、「他犬と遊べない」、それぞれをこの3つの視点から見ていきます
まずは
「他犬に攻撃性を見せる」。
飼い主は犬がいつ突進、いつ吠えるかなど、常に神経を張って散歩をしなくてはいけない。これは(a)に引っかかります。犬もいつ他犬が近づいてくるかを警戒しながらの散歩になる。これは(b)に引っかかります。攻撃された方は迷惑なわけで、(c)にも引っかかります。
明らかに改善すべき問題となります。
「他犬を怖がる」は少なくとも(b)に引っかかる。であれば、こちらも改善すべき問題となります。

常に強いストレスを感じて散歩をしている状態
遊べないことは問題か
では、「他犬と遊べない」はどうか。(c)には引っかかりません。
また、犬は飼い主と過ごすことに幸せを感じられれば、他犬と別に遊べなくても決して不幸なわけではありません。
とすれば、(b)にも引っ掛かりません。残るは(a)。
「他犬と遊べない」ことを問題と考えてしまうのは、人間の我が子(幼児)が他の子と全く遊べないことと同一視してしまうからでしょう。人の場合は、社会的に独り立ちして生きていく必要がありますから、他者とうまくやっていけないと困ります。しかし、犬は独り立ちして生きていくわけではありません。
飼い主との日々に幸せを感じられていれば、それで問題はないのです。
すなわち、「他犬と遊べないこと自体は問題ではない」と飼い主自身が考えを変えれば、問題にはならないということです

どこまで改善すべきかも、飼い主、犬、世の中の3つの視点から探る
さて、「他犬に攻撃性を見せる」、「他犬を怖がる」は、改善すべき問題と判明しました。
ではどうすればいいか?
結論から言えば、他犬が1mそばにきても、攻撃性を見せない、怖がらない、のであればいいのです。
他犬との1mの距離でのすれ違いがストレスなくできれば、日常的に飼い主が困ることも、犬にも世の中にも問題となることはありません。
1mの距離でのすれ違いができないのであれば、できるようにトレーニングをすることです。
犬は鼻先を向けている対象に攻撃性を見せ、鼻先を向けている対象を怖がり、攻撃します。
フードを口にできれば、犬の鼻先の向きもコントロールできます。ただ、攻撃性を見せている、怖がっている犬は、その時点でフードを口にすることができない。鼻先の向きもコントロールできない。
なので、フードに反応する距離で鼻先の向きを変えさせ、フードを提供する。犬は結果的にいいことが起きる行動を習慣化していきます。このいいことが起きる、という体験を積み重ねると、少しずつ攻撃性を見せる距離、怖がる距離を詰めていくことができるのです。
そうやって、1mでのすれ違いを目指すということです。

ほか、よくある困りごと、飛びつき、引っ張り、吠えるなども、それぞれを3つの視点から見ていくと、自ずとどうすればいいかが見えてきます。
そうそう、犬といる時の飼い主の行動も、同様です。
公園のベンチに犬を乗せる、引っぱる犬について行く、車への乗せ方(人間が抱いていたり、ちょこんと助手席に乗せたり、ウインドウに足をかけ外を見させたり)・・・・・・
もちろん現時点では飼い主は問題ないと思っているわけですから、「飼い主にとって」の視点は外します。重要なのは、他の2つの視点。
犬にとってどうか、世の中にとってどうかを、一度深く考えてみることです。
自ずとどうすればいいかが見えてくるはずです。
え? 見えてこない。
う〜ん・・・・・・それが一番の問題ではありますが・・・・・・・
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