犬の困った、ワン!ポイントアドバイス—⑧

家の外を通る他犬に吠える
本日は5回遭遇いたしました、お散歩で・・・・・・
私はパートナードッグと散歩しているだけなのですが、道路沿いの家の犬から窓越しに吠えつかれるのです。
家の前の道を通る犬に反応して吠えつく、そのうちご近所から文句を言われるのではないかと、他人事ながら心配になります。
かつて我々は犬のそうした行動を重宝がって、犬を飼っていた。いわゆる番犬です。
では番犬に育てるために、我々は何をしていたのか?
これ、実は何もしなかったのですね。 玄関先につないでおけば、犬は勝手に番犬に育っていってくれていた。さすがに現代においては、玄関先につないでおくような飼い方をなさる方は極めて少ないわけですが、室内飼いでも例外ではない。
飼いっぱなしにしていれば、犬は番犬に育ってくれる。
そうなのですね、家の前の道を通る犬に反応して吠えつく犬は、立派な番犬となってくれた。そういうことなのです。

困った行動は体験させない
そもそも、犬はなぜ番犬となってしまうのか?
犬の多くは第二次性徴期を迎える前後から、よそ者が自らのテリトリーに入ってくる(近づいてくる)ことを嫌うようになります(その習性をかつて人間は重宝がっていた)。
そして、 どこかの時点で吠えることでテリトリーに近づく相手を追い払うという体験をし、それを繰り返す。
これは過去のコラムでお伝えしている、「結果的に嫌なことがなくなる行動を習慣化していく」、というパターンに見事はまることとなるわけです。
もちろんテリトリーに近づく対象は、吠えられたからいなくなったわけでありません。しかし残念ながら、犬は吠えた結果嫌な相手を追っ払えた、と勘違いしてしまう。もっともその勘違いは、犬にとっては確信なのですが・・・・・・。
さて問題はどうしたらいいか、です。
すでにコラムでお伝えしているように、結果的に嫌なことをなくして習慣化している行動は、「その行動を体験させないようにし」「一方でその嫌なことに慣らす」、が改善への道筋です。
すなわち、問題解決の第一歩は、まずは体験させないようにすることです。窓から見える犬に吠えているのであれば、腰高くらいの高さまで半透明のフィルムを貼って、犬がテリトリーに近づく他犬を、視覚的に確認できないようにする。
ちなみに、それだけで問題そのものが消失してしまうこともあります。

嫌なことに慣らす、それが難しければ防げる行動を教える
ただ、テリトリーに近づく対象を見せなくしても、対象が近づく気配(例えば足音などの音)に反応し吠える犬もいます。その場合は対象が近づく気配(音)に慣らす必要があります。
とはいえ、そもそも吠える行動を体験させないようにできていない(対象を見せなくしても吠える)わけですから、気配に慣らすことはそう容易ではありません。
そこで「防げる行動を教える」という、もう一つの対応策を講じます。合図で飼い主の元まで確実に来るようにトレーニングをする、ということです。
犬は吠える方向に鼻先を向けて吠えています。
吠えそうになったら、またはひと吠えしたら、合図で呼び戻す。その合図に反応して飼い主の方に鼻先を向ければ、その時点で吠えは止む。
ひと吠え、ふた吠え程度の吠えは苦情には至らない、立場上行政の方とよく情報交換をしますが、これは共通した見解です。
合図で呼び戻すことができれば、少なくとも苦情には至らない。 とはいえ、吠えそうになった犬を呼び戻せるには、それなりのトレーニングが必要になります。毎回お話ししているように、基本的なトレーニングを積み重ねることが、不可欠となります。

私の教室のガラスの扉には腰高までフィルムが貼られています。
素通しのままでは教室の前の道を散歩する犬に、教室内の犬が反応してしまうからです。
ただ「腰高までフィルムを貼る」では、教室内を覗く(見学する)人を見せなくすることはできません。
家にいる時間よりも教室にいる時間の方が長い私のパートナードック達の中には、 成長過程で教室を覗く人に吠えるようになった犬もします。もちろん先程記した対応、吠えそうになったら、またはひと吠えしたら、「合図で呼び戻す」を徹底しました。
するとどうなっていったか。
しばらくすると、誰かが覗いているのを発見すると一声吠えて、私の方を振り返るようになり、それ以上は吠えなくなっていったのです。
さて、今回の話はここまでです。
繰り返しになりますが、問題の改善のためには基礎的なトレーニングが不可欠です。
問題をかかえているのなら、適切な指導が受けられる(科学的なアプローチ方法/行動分析学を熟知した)プロの指導を、迷わずにお受けになることです。
やればできる、やれば変わる。
You can do it.
でも、これ、やらなければできるようにならない、やらなければ変わらない、ということでもあるのですから。
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