犬の困った、ワン!ポイントアドバイス—⑥

困った行動はまず体験させない
子供のころは、キャッチボールをよくやっていました。
ボールを投げることを、不得意と思ったことなどありませんでした。
成長するに伴い、いつからかキャッチボールはやらなくなりました。
そして、社会人となり久しぶりにボールを投げてみて、愕然と・・・・・・
ボールは明後日の方向に行ってしまったのです。
その後何度やっても子供の時のようにはうまく投げられなかった。
ボールを投げられることが‘、不得意になっていたのです。
なぜそのようなことが起きたのか。
同じ動作を繰り返す、すなわちその動作に関わる脳の回路を繰り返し使う。
すると、その回路が強固になり、反応が早くなる。結果、その動作が得意になる。
しかし、強固に反応が早くなった回路も使わないと、その回路の反応は弱くなり遅くなる。
キャッチボールに限らず、勉強も、楽器の演奏も、仕事上のルーティーンも、やらなくなればどんどんと、下手になっていく。ただそれだけのことです。
繰り返す行動には必ず結果が伴っている
それにしても、なぜ子供の頃はあんなにキャッチボールに夢中になっていたのか。
過去のコラムで、結果的に「いいことが起きる行動」あるいは「嫌なことはなくなる行動」を習慣化していく(行動の頻度を高める)、ということをお伝えしています。
すなわち、同じ行動を繰り返すというのは、その行動の結果いいことが起きるか、嫌なことがなくなる、という結果が伴っているからです。
キャッチボールが子供の頃は楽しかった、すなわちいいことが起きていたということなのでしょう。
誰かに褒められたのかも知れません。
でも成長するに伴い、キャッチボールより楽しい何かを見つけた。
キャッチボールをするよりも、他の行動を選ぶようになっていった。
さて、実はここまでの話、犬の困った行動を改善させるためのヒントが隠されているのです。

困った行動は体験させない
例えば、「散歩中の拾い食い」という困った行動。
拾わせている(結果的にいいことが起きている)限りは、その行動を改善させることは難しい。
では、どうすればいいか。
困った行動はまずは体験させないことです。
まずはリードの持ち方が重要です。手を下げているとリードは弛む、ご自身のみぞおちあたりにリードを持った手をくっつけると拾い食いができない、そうしたリードの位置を持つことです(すでにコラムで取り上げていますが、胴輪や伸縮リードを使っている限りは無理)。
さらに、拾い食いしそうになったら、ご自身のみぞおちあたりにリードを持った位置に手をピタッとくっつけられるような動きを、飼い主が身につけることです。。

別の好ましい行動を体験させ、習慣化させていく
体験を繰り返せなければ、不得意になっていく。ただ物理的な対応のみでは、改善にはいたりません。キャッチボールで言えば、キャッチボールを禁じられている状況と同じです。キャッチボールに対する欲求が、それ以上に強くなる可能性の方が高い。
重要なのはキャッチボールに変わる行動を教えることです。
拾い食いの場合は、飼い主を見上げて歩く行動を教える。
落ちているものを拾おうとしても拾えない(いいことは起きない)、飼い主を見上げるとフードがもらえる(いいことが起きる)。
これを、トレーニングを通じてしっかりと繰り返し体験させていく。
トレーニング方法は、先ほどのご自身のみぞおちあたりにリードを持った位置に手をピタッとくっつけ、犬のそばにフードを落とします(置きます)。
犬は落ちているものを拾うとしますが、絶対に拾わせないように。
そして、犬が落ちているものを諦め、飼い主を見上げたらフードをあげる。
トレーニングを繰り返し続けると、落ちているフードを諦める時間がどんどんと短くなり、やがて下を向くことすらしなくなっていきます

やがて何か落ちている中も下を向かずに歩くようになる。
「困った行動は体験させない」、一方で「好ましい行動を教える(両立しない行動を教える)」
これ、結果的にいいことが起きている問題行動に対する改善方法の王道。
とは言え、ここで挙げた拾い食いを改善するトレーニング、アイコンタクト(飼い主を見上げるといいことが起きる)のトレーニングをはじめとした、基礎的なトレーニングができている必要があります。
基礎的なトレーニングができていなければ、ここで挙げた拾い食いを改善するトレーニングはできない。算数で言えば、少なくとも四則演算ができないと解けない課題のようなものなのです。
基礎的なトレーニングって何? 何を、どう教えたらいいの?・・・・・・そうですよね、どうしたらいいか、わからないですよね(わかっていれば、問題は起きていないはずですから)。
でも心配は無用。それをお教えするのが、私がやっているお教室ですから。
そうそう、ちなみに、考えてみればキャッチボールって、ここには投げるって言葉の要素は入っていない。ひょっとして、取るのがうまくできれば、投げるのが下手でも、キャッチボールは下手ってわけではないってこと?。

やがて何か落ちている中も下を向かずに歩くようになる。
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